いらっしゃいませ!
高齢化社会により介護職員や要介護者が増える一方で介護職員や養護者による高齢者虐待などのニュースを耳にするようになりました。
高齢者を介護する立場の職員がなぜ「高齢者虐待」という真逆の行為をとってしまうのでしょう。
これからデイサービスや介護施設にご家族がお世話になろうとしている方々はとても不安だと思います。
介護職員の意外な行動が高齢者虐待につながるケースもあります。
これから介護施設にご家族がお世話になる予定の方はどうすれば未然に防げるか不安ですよね。
このページでは介護職員またはご家族の方に少しでも『高齢者虐待』について理解していただきたいと思い記載させていただきますのでよろしければご覧ください。
もくじ
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介護施設による虐待の種類の例
種類 | 内容 |
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身体的虐待 | 高齢者の体に外傷や、または外傷が生じる恐れのある暴行などを与えること。 |
性的虐待 | 高齢者にわいせつなどのいかがわしい行為をすることやさせること。 |
放棄・放任(ネグレクト) | 高齢者を衰弱させるような食事の制限や長時間の放置。 高齢者を擁護するための職務上の義務を怠ること。 |
経済的虐待 | 高齢者のお金を不当に処分すること。 高齢者から不当にお金をもらうなどの行為。 |
心理的虐待 | 高齢者に激しく暴言を吐いたり、心理的外傷を与えるような言動を行うこと。 |
身体的虐待

身体的虐待は、高齢者の身体に傷やアザなどの外傷を目で見る事ができるので一番わかりやすい行為です。
殴る・蹴るなどの行為のほかに薬漬けにしたりベッドに手足を縛りつける行為も『身体拘束』という身体的虐待行為としてとらえられます。
『身体拘束』は高齢者を「暴れさせないように」「安全のために」と行ってしまうケースもあるので介護職員の方はしっかりと把握する必要があります。
では具体的にどのような行為が『身体拘束』と捉えられてしまうのでしょうか。
- 徘徊しないように車いすやいす、ベッドなどに手足を紐などで縛る。
- ベッドから出られないように柵で囲む。
- 立ち上がれる人が立ち上がれなくなるようないすの使用。
- 点滴のチューブを抜いてしまわないように手足を紐などで縛る。
- 皮膚をかきむしったりしないように指先の動きを再現する手ぶくろなどをつける。
- 勝手に服を脱いだりオムツを外さないようにつなぎ服を着せる。
- 落ち着かせるために必要以上に向精神薬を服用させる。
- 自分では開けることのできない部屋に隔離する。
このような行為が『身体拘束』の対象となる禁止行為の具体例です。
中には職務上仕方のない行為のように思えるものもありますが禁止行為に該当するので介護職員は注意が必要です。
- 他の人の生命又は身体を保護するため緊急やむをえない場合は認められる場合もある。
- 職員個人での判断はNGで、施設全体での判断が必要。
性的虐待
性的虐待は、無理やりにキスや性的な関係・行為を強要することをいいます。
また、高齢者の排泄など失敗を理由に下半身を出したまま放置するなどの見せしめの行為も性的虐待に含まれます。
放棄・放任(ネグレクト)

介護施設では必要以上の食事の制限や必要な処置をせずに高齢者を放置したり、養護すべき職務を怠ることが『放棄・放任(ネグレクト)』に該当します。
介護施設に関わらず、ご家族が自覚のないまま起こしてしまっている虐待でもっとも多いケースです。
介護が必要な状態のご家族の方の世話をせずに放棄していたり、ゴミや汚物が片付けられていないような生活環境の中で医療や介護サービスを利用していなかったり、食事も十分に与えていない状況などの何もされていないことで起きる問題です。
ご家族の方が不作為に起こしてしまってる問題なので解決するのには第三者の協力が必要な場合があります。
経済的虐待

経済的虐待は、ご家族の中での問題が多く高齢者の年金を本人の意志を問わないまま家族が使ってしまうケースがあります。
高齢者本人の自覚がないパターンもあるのでこちらもご家族が不作為に行っていることも少なくありません。
心理的虐待

心理的虐待は、言葉の暴言などが該当されます。軽はずみでも「死んでしまえ!」「役立たず!」などの気力を失うような言葉をかけることによって高齢者は投げやりになってしまいます。
心も身体も衰弱している高齢者には軽はずみで言った言葉でもかなりのダメージを受ける事がありますので出来る限り優しい言葉で応対しましょう!
なぜ介護職員による虐待が増えている?

一概に何が原因とは言えませんが一つの理由として高齢者が増える一方で『介護職員の人手不足』『過酷な介護という仕事に見合っていない低給料』が原因の一つと考えられます。
「猫の手も借りたい」と思うくらい介護の現場は人手不足が続いています。
やっと来た人材を手放したくない一方で介護の仕事に向いていないと思われる人材などもやむを得なく雇うケースも少なくありません。
「人手不足」が虐待をしてしまうような状況を作ってしまっているのではないでしょうか。
また、介護の仕事は本当に過酷です!
私も無経験の状態で介護の現場に飛び込みましたが息をつく暇もありません。
些細な事が事故につながったりするのでずっと気を張った状態が続きます。
このような過酷な仕事にも関わらずかなり安い給料でとても仕事量に見合った給料ではありませんでした。
今後もっともっと必要になる介護の仕事に対してもう少し国からの援助があればこのような介護職員による虐待なども減るのではないでしょうか。
介護施設での虐待を未然に防ぐには?

では、どのようにしたらこのような介護職員による「虐待」を防ぐ事ができるのでしょうか。
介護職員その人を教育するのは施設の役目です。
ですが施設にご家族を預ける場合、ご家族の方の頑張りや協力次第で未然に防ぐ事ができるかもしれません。
私が勤めていたデイサービスを例に挙げると通所するのにはまずデイサービスを体験利用してもらいます。
この時にポイントなのが「本人のみの体験」なのか「ご家族同伴での体験」なのかです。
よくご本人のみでの体験をされる事がありますがこの場合はデイサービスの1日の流れやサービス内容を一部体験できるだけであってそのデイサービスの細かいところまでは本人のみでは把握できません。
しかしご家族の方が同伴の場合であれば本人だけでは目の届かないところまで把握できます。
介護職員と会話をしたり他の利用者さんから施設の良いところなどを直接聞くのもいいと思います。
正直体験利用はその体験の利用者さんを満足させるために職員は必死なります。
なので体験利用の時のサービス内容が良いのは当たり前のことで大事なのはその施設の雰囲気や職員の対応、他の利用者さんからの意見をしっかり聞く事だと思います。
しっかりご家族の方が協力して施設を選ぶ事が介護職員による高齢者虐待などのあり得ない事態を未然に防ぐ第一歩だと私は思います。
ご本人がデイサービスに行きたがらない場合もありますのでこちらの記事もよろしければご覧ください。

まとめ
高齢者虐待はおおごとになるまで気づかないケースが多いのでいかに未然に防ぐかが重要になってきます。
不作為に虐待を行っているケースもあるのでしっかりその高齢者の立場になって、本当にその人のためになっているのか、自分のしている行動は間違いないのか第三者に聞いてみるのもいいと思います。
これからますます増えていく高齢者の住みやすい環境を作っていくのが自分たちの為でもあり、明るい未来への第一歩だと私は思います。
ありがとうございました!またお越しくださいませ!